HISTORY of KOBE STEEL Kobelco Steelers
「決勝トーナメントに向けて良い練習ができた。」
試合後の記者会見でそう語ったのは、日和佐篤キャプテン。
自分たちの時間帯でない時にどう戦い、どう勝ちを手繰り寄せるか。苦しい80分の勝ち方を、見極めた一日となった。
少し溜めてから放るパス、スペースを見抜いて自ら切り込むボールキャリー。13番ラファエレティモシー選手の巧みなスキルは今日も健在。ハドル(円陣)の中でも積極的に発言し、BK陣を引っ張った
試合序盤は、一方的な神戸製鋼ペース。テンポの良いアタックで、ポゼッションもエリアも相手を上回った。
が、しかし。いつ頃からだったろうか、なかなか流れに乗りきれなくなったのは。少なくとも前半35分にシンビンで1人欠けた後には、苦しい展開となっていた。
後半最初のトライをリコーに許すと、その10分後にも2トライ目を献上。7-17と10点リードで前半を折り返したものの、あっという間に逆転を許す。
19-17、後半14分には2点のビハインドとなっていた。
日和佐キャプテンは言う。「トライを取るべきところで取り切れなかったことが、自分たちの首を絞めた。」
後半は敵陣深くまで何度もボールを運んだが、ことごとくリコーのディフェンスに阻まれた。結果、後半はノートライ。
「もう一個のパス、それからしっかりグラウンディングする。細かい所をもう少し丁寧にできたら、チームは変わってくるのかなと思う。」
苦しい場面で投入された23番アタアタ・モエアキオラ選手は、フィジカルの強さを十分に発揮
苦しい試合を勝ち切ることができた要因の一つに、22番の李承信選手の逞しさがある。日和佐キャプテン曰く「2023年のフランスワールドカップに出場するに値する選手」は後半26分に登場すると、直後に得たペナルティゴールを落ち着いて決めた。
「神戸製鋼に加入してから凄く成長している選手。フィジカルもしっかりしており、自分に自信を持ってプレーしてくれている。(デーブ・ディロンHC)」
自身のPGで得た1点リードを守り切るべく、試合最終盤を落ち着いてコントロールした20歳。
「タフな試合、勝ちで終わることが重要(ディロンHC)」な一戦で、チームに勝ち点4をもたらした。
後半29分、李選手PGの場面。この3点が後半唯一のスコアとなった
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