The Side of 日本体育大学
試合開始早々、2本連続でトライを取られた。
しかし1本のスクラムペナルティから、反撃が始まった。
11番クリスチャン ・ラウイ選手が左サイドで複数の相手選手を交わしトライを奪うと、その3分後には再び、ボックスキックを拾い上げトライ。
「いけるいける!ディフェンス我慢!」
チームの士気が一気に上がった。
ペナルティを吹かれれば
「バックバック!」
「ノーペナノーペナ!」
「やってきたこと!」
危険の芽は自らで摘む声掛けが、至る所から聞こえていた。
日本体育大学が13年ぶりの大学選手権出場を果たしたきっかけは、シーズン前にさかのぼる。
4年生だけで何回も話し合い『ベスト4』という目標を、自分たちで打ち立てた。
「例年だったらリーダー陣やスタッフが決める所、今年は4年生たちが目標を決めることが出来た。だからこそ4年生が最後までこだわってやり続けることが出来た」と髙橋泰地キャプテンはいう。
自陣22mでのスクラムでペナルティを獲得すると、雄叫びを上げた日体
ノンメンバーたちがディフェンスラインの穴を指摘し、危険を未然に防ぐ。
それに呼応するように、ピッチに立つ選手たちも自分たちの存在を方々で知らしめる。
しかし、体を当て続けていた選手たちは後半になるとあちらこちらで痛み、足を攣る姿が散見されるようになる。
後半14分。
自陣でのスクラムでペナルティを獲得しても、前半のように感情を露にすることのなかったフィールド上の選手たち。
だから選手席から飛ばされた「もっと喜べ」の声。
その直後、相手のパスが乱れた隙をついて敵陣深くに蹴り込めば、敵陣5mでペナルティを獲得した。
「スクラム出来るよ!」
「いつも通り、横とのまとまり!」
後半18分、フォワードで粘ったラックから出されたボールは、大外の14番・鈴木颯選手にしっかりと繋がり、きれいなトライとなった。
しかしその後、幾度かチャンスメイクをするもゴールラインは割れず。
ベンチメンバー全員が入れ替わる、総力戦となった。
足がもつれ、こぼれたボールを拾うのも難しい時間帯に入ってしまう。
「日体!」
「ここだぞ!頑張れ!日体!」
しかし、3トライ差となる、ダメ押しのトライを奪われてしまう。
「前に出るディフェンスにこだわって、この3週間やってきた。選手たちは最後まで出し続けてくれたと思う。選手たちを誇りに思います。(湯浅監督)」
13大会ぶりの大学選手権は、確実に大きな一歩となった。
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