一生に一度の新人早明戦は、明治が12トライで圧倒。早稲田は「この負けをポジティブに捉えること」

試合概要

新人早明戦
明治新人 82-14 早稲田新人

日時:2022年6月17日(土)12時00分KO
会場:明治大学八幡山グラウンド

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明治大学

モメンタムを意識しアタックの練習を重ねた1週間。

そして、その成果が遺憾なく発揮された80分だった。

最初に勢いを掴んだのは明治大学。

ラインアウトから1番・檜山蒼介選手が押し込むと、続いて6番・松岡風翔選手のボールキャリーから左サイドを駆け抜けた11番・海老澤琥珀選手がトライ。

続くキックオフからノーホイッスルトライを決めたのはPR檜山選手。ラックからの球出しを狙ってインターセプトすると、50m6.6秒という快速を活かしておよそ80mの独走トライを決めた。

あっという間に19点を先行する。

4トライ目は、右にボールを動かした最後、10番・伊藤龍之介選手が飛ばしパスを放り、受け取ったWTB海老澤選手グラウンディング。

5トライ目は、5mラインアウトからのモールを2番・木谷光選手が押し込んだ。

その後も、SO伊藤選手のキックパスに反応した14番・竹之下仁吾選手のトライに、海老澤選手がブレイクした所ボールを受け取ったSO伊藤選手のトライ。ラインアウトモールからのトライに、ゴール前ペナルティからクイックで押し込んだ木谷選手のトライなど、前半だけで合計9トライ。

明治が61点のリードをもって、前半を折り返した。


木谷選手は2トライの活躍も「モールはみんなが押してくれて、僕は押さえただけ。ピックからのトライも、ラッチの人が押してくれた。自分だけのトライじゃない、チームでのトライ」と仲間に感謝した

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しかし一転、後半は決め切れない時間が続く。

ブレイクダウンでもスクラムでも強さを見せたが、早稲田のプライドが壁となって立ちはだかった。

後半最初のトライは、早稲田に許した。

しかし、7番・大川虎拓郎ゲームキャプテンらのボールキャリーから右サイドで勝負すると、後半1つ目のトライ。

試合終了間際にもスクラムからのアタックでWTB竹之下選手が走り切り、またSO伊藤選手のキックパスからトライが生まれるなど2トライを追加すれば、ノーサイド。

82-14で明治大学新人が勝利を収めた。

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強さと速さが存分に表現された80分間。

「遂行力で相手を上回った」と大川ゲームキャプテンは総括した。

しかし、もちろん改善点はある。

スクラムでは明治が押したが、レフリーの手は早稲田側に上がることが多かった。

「基本的には押して相手にプレッシャーを掛けられていたので、それはこれからも継続していきたい。ただフロントローの高さは改善できると思うので、相手の高さに合わせるのではなく自分たちのスクラムが組めるようになりたい」とHO木谷選手は矢印を自らに向けた。

***

FL大川虎拓郎選手。

中学時代には全国ジュニアで日本一になった福岡県代表を率いると、高校3年次には東福岡高校を花園で日本一に導く。国体でも福岡県選抜のキャプテンとして優勝を経験し、第48期高校日本代表の主将も務め上げた。

そしてこの日も、役職はゲームキャプテン。

これまで幾度もの『キャプテン』を経験した大川選手だが、試合後真っ先に口にした言葉は「正直、めちゃくちゃ緊張しました」という素直な感情だった。

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その要因は、いくつもある。

これまでの春シーズン、チームが良い形で勝っていること。

昨年の新人早明戦では負けていること。

そして、ここで負けたら翌週に行われる春季大会最終戦・東洋大学戦にも影響が及ぶのではないか、という不安。

そういう様々な要素が、『緊張』として表れた。

プレーはもちろん折り紙付き。

ラインアウトではリフターになることもあれば、ジャンパーにもなる。

エッジでボールをもらい、次の人へボールを託す力強さも見せた。

既に公式戦も経験済み。

春季大会・東海大学戦で紫紺デビューを飾っており、次なる目標は必然と秋に向かっている。

「対抗戦で紫紺を着れるように、頑張ります。」

高校日本代表26人のうち10人を、そして強豪校のキャプテンも多数擁する黄金世代。

まとめる、その最初のゲームで経験した『緊張』を、原点とする4年間が始まる。

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