大東文化大学
2023年度の主将を務めるは、稲葉聖馬選手。スクラムハーフとして、テンポある攻撃の起点となった。
「今日は精度を意識して挑みました。序盤は細かなミスもありましたが、修正できてチームとしても良いアタックが出来たと思います。」
攻撃に転ずれば、気持ちの良い大東文化らしいダイナミックなアタックを繰り広げた。
今年のスローガンは『×(バツ)』。
これまでの悪い習慣にバツをつけよう、と覚悟を決めた。
だが、バツをつけ続ける日々は想像以上に厄介だった。リーグ戦序盤、酒井宏之監督は「バツばかりつけてきたから、そろそろマルをつけたい」と漏らした。
酒井新監督体制1年目。
バツをつけた1年の結果は、昨季の入替戦出場から大幅に改善した。
「バツをつけてきたことに、今ではマルをつけられるようになりました」と、稲葉キャプテンは振り返る。
やってきたのは、あくまでも些細なこと。
寮での整理整頓から、スリッパの向きを揃えること。
当たり前のことを当たり前にできるようになった。傍から見れば小さな変化かもしれないが、それこそがこのチームにとっての大きな変化だった。
残念ながらこの後行われた立正×法政の試合結果により、大東文化は大学選手権出場とはならなず。
この試合が、今季の集大成となった。
16トライを奪って92得点。
試合後、全員で大きな輪を作った選手・スタッフの表情は明るかった。
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U20日本代表として今年のU20チャンピオンシップに出場したのは、5番・佐々木柚樹選手。
「南アフリカでは、強いチームとばかり対戦してきました。『世界を相手に戦ったんだぞ』と、自分自身に自信をつけることができました。」
ビビらずプレーできるようになった、そんな今シーズンだった。
来年はいよいよ、最上学年。
「1年生の頃から出場させてもらっていましたが、ずっと上の学年に引っ張ってもらっていました。来年は最上級生として、自分から引っ張れるようなプレイヤーになりたいです。」
覚悟を持って、ラストイヤーを迎える。