筑波大v明治大【関東大学対抗戦Aグループ 第3週】

後半

後半は、自陣と敵陣を行ったり来たりする時間帯が続く。どちらかがペナルティを取れば、対するもペナルティ。両者、なかなか流れを掴み取ることができない。

すると後半13分。明治12番・森勇登選手が危険なタックルでシンビンを受ける。風向きは、筑波に傾くか。

そう思った矢先、明治の箸本キャプテンが仲間を鼓舞するかのような働きをみせる。
ゴール前、一人で連続2フェーズ。一つ置いてもう一度。何かから解放されたいような、または何かを取り払うような。そんな雰囲気さえ感じさせるプレーの連続だった。試合後の記者会見で、箸本キャプテンはこう振り返る。「自分の持ち味のボールキャリーで、なんとかボールを継続したいという一心だった。余裕がなく周りが見えていなかった。」

気持ちは、仲間に伝播する。

筑波の14番・植村陽彦選手が右サイドを一気に駆け上がると、追いかけた明治15番・石田吉平選手が見事なジャッカルを決める。再び流れを明治に呼び戻すビッグプレーに、会場から拍手が起こった。実はこの2人、2018年にアルゼンチンで行われたユースオリンピックで日本代表としてともに戦った仲だ。持ち味の機敏なステップや突破力がこの試合では影を潜めていた石田選手、まずは一仕事。

明治の13番・児玉樹選手は、手を叩いて仲間を鼓舞する。「明治、我慢だよ!」「ディフェンスもう一回頑張ろう!」「明治チャンスだよ、これ取り切ろう!」

192cm 103kgの大型CTBは、ボールを受けると次々に縦へ当たり、バックスラインではタッチジャッジと積極的にコミュニケーションを取る。後半28分には、トライへと繋がる華麗なオフロードパスも見せた。気付けば児玉選手も3年生。たくましく成長している。

森選手のシンビンが明けると、明治はギアを一段階上げる。スクラムで筑波のパックを持ちあげ、今日一番のどよめきを響かせた。

自陣インゴール間際のスクラムで度重なるペナルティを取られてしまった筑波は、ラインアウトモールを作られると、勢いにのった明治を止めることができない。トライ直前で崩れたモールを見たレフリーは、明治に認定トライを与えた。

 

試合終わってみれば、ダブルスコア。しかしそれまでの2戦はともに50点差以上で勝利をしていた明治が、今シーズン初めて苦戦を強いられた。

筑波の力強さと展開力が目立ったこの試合。大学選手権への切符を勝ち取るのは、どのチームだ。


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