【2020年シーズン】記憶に残る1ページ<高校生篇>

記憶に残る言葉

大学篇と同様、高校篇も2シーン紹介します。

まずは1つ目、全国U18女子セブンズから。

安井ノエル(京都成章高校)「チャンス掴みとった!」

創部3年目で悲願の初優勝を飾った京都成章高校。優勝キャプテンインタビューで語られたのは、自らで運を掴みに行く姿勢でした。

「隙のあるチームはそこを突かれると思ったので、私生活から変えていきました。ゴミが落ちていたら真っ先に拾って、『チャンス掴みとった!』って言いながら朝の散歩をしていました(笑)」

昨年の準決勝で敗れて以降、京都成章の面々は自分たちで生活を変えたと言います。

良いプレーをするためには体づくりから、ということで、ファストフードやお菓子・炭酸をこの1年一切口にせず。

運を掴み取るため、誰に言われずとも落ちているゴミを拾う。

高校生の女の子たちが自らを律することは、並大抵の気の持ちようではできないはずです。

それを、あくまでポジティブに実行する才能を持っている選手たち。

どこまでも明るく前向きな姿勢に、思わずハッとさせられた一言を選びました。

決勝戦後インタビュー -第3回全国U18女子セブンズラグビーフットボール大会

 

もう一つは、花園での敗戦後の一コマから。

鈴木梓太選手(山形中央高校)「ありがとう」

登録選手17人で花園に乗り込んだ山形中央高校に、大きな感動を与えてもらったラグビーファンも多いのではないでしょうか。

1回戦を完封勝ちした山形中央は、2回戦で東海大相模と対戦。体調不良者が出たため、2回戦のメンバー登録はなんと16人でした。

第2グラウンドの記者席後方には練習グラウンドがあり、多少の待機スペースがあります。そこで試合終了後、山形中央の選手たちは涙を流しながら抱き合っていました。

後半6分に負傷退場した3年生の鈴木梓太選手(15番)は、止まらない涙を堪えることなく、全ての選手を順に抱擁していきます。掛けるのは、たった一言。

「ありがとう」

交代枠は、プロップの1年生選手しか残っていなかった。自分たちにできることを精一杯やりきった、山形中央。

涙を溢れさせながら掛け続けた「ありがとう」の言葉は、優しくて、とても美しかったです。

山形中央の試合自体は取材しなかった&rugbyですが、どうしてもこの舞台裏だけは伝えたく、最も記憶に残る言葉に選出しました。

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