新チーム1冠目は筑波大学。アクセル全開の「VROOM!!」で優勝!|第24回 東日本大学セブンズラグビーフットボール大会

4月9日(日)、秩父宮ラグビー場で第24回 東日本大学セブンズラグビーフットボール大会が開催され、筑波大学が9年ぶり4度目の優勝を飾った。

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優勝 筑波大学

タフな山だった。

1回戦は、法政大学。結果的にではあるが、コンソレーションで優勝したチームと対戦した。

続く2回戦の相手は、帝京大学。

「1月2日、大学選手権であれだけの差をつけられた帝京大学さんが2回戦の相手。借りを晴らすという気持ちで挑んで、勝利できたことはとても嬉しいです」と朗らかに話したのは、髙田賢臣選手だった。全員が「帝京には勝つ」と心に決め、挑んだ。

準決勝は、昨年同大会の決勝カードでもある明治大学。前半を12点のビハインドで折り返したが、後半に怒涛の4トライ。逆転勝利を収めた。

決勝は茨城ダービー。同トライ数ながら、コンバージョンゴール差で勝ち切る。

見事、4度目の優勝を手にした。

昨年度のスローガン『バチバチ』は、チームの根幹へと昇華した。

今年のスローガン『VROOM!!(ブルーム)』は、そのバチバチをいつ出すのか、という問いから始まる。「最初からアクセル全開にバチバチを出そう、という意味を込めてつけました。(濱島遼選手)」

モチーフは車のエンジン音。選手一人ひとりが部品となることで一つの車体を作り上げ、ぶつかっていく様を表している。

セブンズチームのキャプテンを担った白栄拓也選手は、試合後疲れ果てた様子で記者会見場に現れた。それだけ、VROOMを体現した1日だったのだろう。

「全員疲れてはいましたが、声を出し続けられたこと。全員が一丸となって戦えたことが良かったのでは」と振り返った。

そして、先輩たちは口を揃える。

「優勝はルーキー2人のおかげです。」

2人、とはハイボールでの強さを見せた飯岡建人選手(流経大柏高校出身)と、チーム通算16トライのうち3分の1となる5トライを決めた増山将選手(東海大大阪仰星高校出身)。

だが当の本人たちは「先輩方が助けてくれたので、この結果に繋がった」と謙遜した。

2人とも自ら話しに行くタイプではない。練習ではあまり会話に加わることもなかったが「試合を通して喋るようになりました」と白栄キャプテンは喜んだ。

「試合中、良いプレーをしたら先輩方が『ナイスプレー』と駆け寄ってきてくれた。細かいコミュニケーションが取れたことで、溶け込むことができました」と笑ったのは飯岡選手。

増山選手も「試合をするうちに、先輩方の意図も分かってきた。打ち解けることができたかな、と思っています」と安堵する。

この勢いをそのままに、まずは春季大会から次なるVROOM!!を見せる。

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飯岡建人(1年生)

高校日本代表活動を終え、チームに合流したばかりのルーキー・飯岡建人選手。

「優勝という経験を1年生一番最初の大会で経験できた。良いスタートを切れたと思う」と笑顔を見せた。

入学して僅か1週間で身に着けた水色のジャージは、鮮やかに似合った。

初戦・法政大学戦を終えると、幾ばくか表情も和らぐ。

「大学に入って初めての公式戦。どうなるかな、と思ったのですが、まずはキックオフが取れて、そこから勢いに乗れたので良かったなと思います。」

その大事な初戦で、初トライも挙げた。

「この勢いのまま、4年間頑張っていきたいと思います。体をもっと大きくして、スキルも上げて、試合に出てチームに貢献したいです。」

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増山将(1年生)

2回戦の帝京大学戦では。2トライ。ファーストトライに、同点に戻すトライと、肝となる場面で取り切った。

「先輩方がスタンドからたくさん応援を送ってくれていました。『増山!』とめっちゃ言ってくれていた声も届いていて。それが元気になりました」と話した増山将選手。

コーチ陣から「積極的に中に行け」とアドバイスを受けたことも、しっかりと体現した。

準決勝・明治大学戦ではハーフタイムで12点差。「先輩たちが一回深呼吸しよう、と声を掛けてくれて、全員で深呼吸しました。そこで切り替えられたことが、逆転に繋がったかな」と振り返る。

決勝戦でも素晴らしいランでチームを勢いづけた。「先輩方がうまく使ってくれたので良かった。楽しかったです。」

長らくセブンズユースとして活動してきた経験を、まずは大学最初の大会で存分に発揮した。

残念ながら、高校日本代表からは最終選考で漏れた。

「僕も入るかな、と思っていたんですけど」とおどけたが、素直に「悔しかったです」と口にする強さを併せ持つ。

3月はあまり体を動かしておらず、積極的に体力を戻し始めたのは3月末にチーム練習に合流してから。

それでもこの活躍なのだから、ポテンシャルは言うまでもない。

「しっかりとスタメンに定着して、試合に出続けることで成長していくような選手になりたいと思います。」

春、まずは14番・15番での先発定着を目指す。

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濱島遼(2年生)

優勝の要因を聞くと、「正直本当、1年生の活躍のおかげ。すごいなぁ、と思いました」と笑った。「1年生にはめちゃくちゃ助けられました。」

だが決勝戦の2トライ目、確実に左サイドを走り抜いて決めたのは濱島選手。

後半はノートライながら、最後まで全員が体を当て続け、筑波らしい強みで戦い抜いた。

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高橋佑太朗(2年生)

決勝戦最初のトライは髙橋選手。「勢いにのる1トライ目を取れて良かったです」と微笑んだ。

自身のラグビーキャリアで初めて手にした優勝は「嬉しいです、それだけです。」

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小池陽翔(2年生)

昨年は決勝で敗れ、シルバーメダル。悔し涙を流していた当時のルーキー・小池陽翔選手は今年、自身のキャリアで初めて、優勝を勝ち取った。

「去年は(同大会で)怪我をし、準優勝。今年は優勝。リベンジを果たせた安心感でホッとしています。」

後輩ができたことで、より責任感も増した。自分がトライを取らないと勝てない、と思うようにもなった。

そんな決意が現れた、2回戦・帝京大学戦。ウイニングトライを飾る。

「自分が出て、最後に良い形で勝ち切ることが自分の仕事だと思っていました。それができたことは良かったです。」

1月2日の大学選手権準決勝では、自らのミスがラストプレーとなった。その悔しさも、ようやく晴らせたこの日。

「チーム谷山の初陣を勝ち切れた。これで勢いに乗せることができたかな」と笑顔を浮かべた。

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髙田賢臣(4年生)

「15人制でやっていたことを発揮できたこと、そして新1年生の2人が活躍してくれたことが本当に大きかったです。」

決勝戦ではコンバージョンゴール成功率100%。

「セブンズも15人制も関係なく、相手のトライはできるだけ外に、自分たちはできるだけ内に、と意識してきたことが活きたかなと思います」と振り返った。

今年度、主務も務める髙田選手がスクラムにも加わったのは、準決勝。ターンオーバーし、ボールを奪い返した。

「スクラム押すって気持ちいいな、とFWの気持ちがわかりました(笑)」

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