5月3日からサモアで開催されたワールドラグビー パシフィック・チャレンジ2023。
ジュニア・ジャパンは13日、マヌマ・サモアと対戦し、33-44で惜敗。
通算1勝2敗の勝ち点5で大会を終えた。
【写真提供:日本ラグビーフットボール協会】
日本最初の攻撃は前半4分。
右ラインアウトモールからフォワード戦に入ると、中央に寄りながらあと数㎝まで迫った。
しかし最後はノックオン。ファーストチャンスを活かしきれず。
その自陣5mスクラムを活かしたのはサモアだった。
左サイドでの速攻から決めたファーストトライ。
日本は一度ボールを奪い返したものの、外にボールを回す最中に軌道が僅かに乱れてしまい、その瞬間をサモアは逃さなかった。すかさず蹴り込まれ、トライまで持ち込まれる。
コンバージョンゴールも成功し前半6分、7-0。まずはマヌマ・サモアが得点を動かす。
日本の反撃は、その直後。
相手ボールラインアウトをスティールすると、すぐさま逆サイドに振れば11番・武藤航生選手が大外を一人余らせた状態でビッグゲイン。
そのまま大外のサポートに渡すと、ワンパスで再びボールを受け取り11番・武藤選手がトライを決めた。
前半8分、日本が5点を返し7-5と迫る。
【写真提供:日本ラグビーフットボール協会】
続くトライもジュニア・ジャパン。
14番・御池蓮二選手が抜けたラックでペナルティを得ると、5mラインアウトへ。モールで押し込み、2番・長島幸汰選手がボールを地面につけた。
FWの力強いトライに、この日フランカーとして出場していた6番・林慶音選手も両手でガッツポーズを決め、雄叫びを上げる。
前半14分、7-12と逆転に成功した。
【写真提供:日本ラグビーフットボール協会】
だが、フィジカルで上回るサモア。
速い出足で相手のアタックを止めるジュニア・ジャパンだったが、右サイドでサモア13番に力強いゲインを許せばトライまで持ち込まれる。
前半17分、12-12と振り出しに戻った。
前半は、主導権が行ったり来たり。
続くチャンスを手にしたのは、日本だった。キックカウンターで攻め込むと、オフサイドのペナルティから敵陣5mでラインアウトモールを形成。今回も押し込みきり、またしても2番・長島選手がトライ。
前半24分、ゴールも成功し12-19と日本がこの試合初めてのリードを手にする。
【写真提供:日本ラグビーフットボール協会】
遠征前は、年齢差のある相手に厳しいFW戦が予想された。
スクラムこそ押される場面もあったが、モールを組めばしっかりと得点ができる。
これは6月に向け、大きな収穫となったに違いない。
続いても敵陣深くでのペナルティを手にした日本は、得点が見込める5mラインアウトモールを狙うかと思われた。
だが、意表を突いたクイックスタートを選択。タップキックからオープンサイドに振ったのは12番・大町佳生キャプテン。10番・大島泰真選手は外へ飛ばしパスを放るが、スローフォワードを取られここでは惜しくも得点しきれない。
すると自陣22mでペナルティを犯した日本、ファーストフェーズは粘ったものの縦に崩されマヌマ・サモアの強いFWに細かく繋がれれば、左端にトライ許した。
前半35分、17-19と迫られる。
【写真提供:日本ラグビーフットボール協会】
このままでは終われない日本は、前半最後に手にしたチャンスで取り切った。
No.8小林典大選手がビッグゲインを見せると、そこを起点に10番・大島選手がグラバーを蹴り込むむ。するとサモアはたまらずキャリーバック。
敵陣5mでのマイボールスクラムでペナルティを得ると、クイックスタートからFW戦を挑む。アドバンテージを持ちながら粘り強く迫れば、最後は12番・大町キャプテンがど真ん中をパスダミー交えながら縦に走り切った。
コンバージョンゴールも自らで決め、17-26。
ジュニア・ジャパンが9点リードで前半を折り返した。
【写真提供:日本ラグビーフットボール協会】
後半は一転、ディフェンスの時間が続く日本。
後半1分、6分に連続トライを決められてしまう。
サモア14番が2つのハンドオフから決めたトライで、27-26。再びの逆転を許した。
その後、サモアに1人イエローカードが提示されると、日本は数的有利な時間帯を手にする。
マイボールラインアウトからモールでぐいと押せば、最後はバックスに開いて13番・生田弦己選手が中央に飛び込んでトライを決める。
後半14分、コンバージョンゴールも成功し27-33と三度ポイントリーダーの座についた。
【写真提供:日本ラグビーフットボール協会】
しかし、そこからマヌマ・サモアの個人技が光り出す。
スクラムハーフが何人も置き去りにしながら縦に走り切ったトライを見せれば、ゴールも成功し34-33。後半24分、再び逆転を許す。
日本もゴールを背負ったディフェンスでパイルアップを奪い、SH土永旭選手から23番・濱島遼選手、再び21番・土永選手と粘って敵陣へ入り込んだが、またしても相手の9番に走り切られてしまう。
後半37分、41-33。
最後はPGを決められ、ノーサイド。
44-33、悔しくも収穫多き敗戦となった。
【写真提供:日本ラグビーフットボール協会】
試合直後 12番・大町佳生キャプテンインタビュー
「接戦になることは分かっていました。どちらが我慢比べに勝てるか、というゲーム。
この桜のジャージを着ている以上、負けていい試合はありません。勝ちにこだわろうと最後まで戦いました。6月に南アフリカで行われるワールドラグビーU20 チャンピオンシップに向け、みんなで良い準備をしていきます。」
【写真提供:日本ラグビーフットボール協会】