雪の明帝戦、帝京が制す「みんなの顔が嬉しくて幸せで、噛み締めた。」明治は優勝ならずも響いた『廣瀬コール』に涙|第60回全国大学ラグビーフットボール選手権大会 決勝

明治大学

試合後、鳴り止まなかった『廣瀬コール』。

山本嶺二郎副将に肩を抱かれながら、明治大学ラグビー部 第100代主将・廣瀬雄也は涙を流した。

スタンドには、今日も変わらず多くの明治ファンが詰めかけた。

試合中、苦しい場面では何度もかかった明治コール。

だからこそ「100周年という節目で優勝を見せられなかった悔しさ。ファンの人たちへの申し訳なさが募った」と廣瀬キャプテンは吐露した。

「4階席を見たら、同期や仲間が手を振ってくれていました。このチームで主将をやらせてもらって、明治を選んで良かった、って。」

二人三脚で歩を進めてきた、山本バイスキャプテンは言う。

「ファンの方から見ても、そして一番近くにいた僕から見ても、100年で一番良いキャプテンだったんじゃないかなと思います。」

練習試合では、自身が出場しないグレードのゲームにおいても、ポール裏から見守りチーム明治を作り上げたリーダー陣。

100年で一番良いキャプテンの傍らには、100年に1度のバイスキャプテンがいた。

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「廣瀬コール。ふつう、ありますか?あんなこと。すごくないですか?」

驚き、喜び、そして涙した者がもう1人。

主務として、そしてレフリーとして今年1年間チームを支え続けた不京大也だった。

「試合終了間際にトライを取られてしまっても、選手たちは『最後まで戦い抜こう』と話してくれていました。特に(キャプテンの廣瀬)雄也は、ずっとみんなを鼓舞し続けていて。自分自身もキツい状況だったと思うんです。そんな中でも、一番明治を体現してくれていました。80分26秒、やりきってくれたなと思います。」

試合後には「ありがとう、お疲れ様」と感謝の気持ちを笑顔で伝えた。

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11番・海老澤琥珀

トライを奪い、チームに勢いをもたらした1年生ウイング。試合に敗れ涙したのは、これが初めてだったという。

「負けてしまってすごく悔しい。来年もしっかりと優勝を目指して頑張りたいと思います。」

自身2年連続の準優勝。この景色を、忘れない。

9番・萩原周

ベンチに戻った萩原選手の目は赤かった。

「終わっちゃうんやな。」

このチームでラグビーができたことの嬉しさ。そして、4年間を終える悲しさが入り混じる。

紆余曲折あった明治大学での4年目。だが大学選手権では「何気ないプレーで活躍できた、その姿を後輩たちに見せることができた」と誇りをもった。

試合を終えると、1学年下のスクラムハーフ、登根大斗選手の背を叩く。

言葉は掛けなかった。ただその右手に「頑張れ」を込めた。

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試合後コメント

神鳥裕之監督

色んな事があった中でも、最後まで試合ができたことに感謝したいと思います。

帝京大学さん、3連覇おめでとうございます。強かったです。

勝つことができなかった、勝たせてあげられなかったことに監督として責任を感じています。

100周年というプレッシャーの中でここまで戦った選手たちを誇りに思います。

4年生たちの次のチャレンジを心から応援したいと思いますし、また3年生以下については、さらに成長してくれると信じています。リベンジするような強いチームを作って帰ってきたいと思います。

廣瀬雄也キャプテン

準決勝の地震、そして今日の雷。最後まで明治のラグビーが素晴らしい舞台でできたこと、幸せです。

100周年の節目、全く悔いはありません。後輩たちにはこの悔しさをバネに、もう100年続くよう継承して欲しいと思います。

僕自身、雪の中での試合は初めてでした。グラウンドの中ではリラックスしていたし、雪の早明戦じゃないけど・・・と思い出しながら、今この瞬間にラグビーができることを楽しんでいました。

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